演劇実験室カフェシアター「犬神」
昨年のネオン20周年記念公演「邪宗門」の演出を務めてくれた、中沢清さん率いるカフェシアターの公演、終了しました。
今回の演目は、寺山修司作の「犬神」。60年代に書かれた寺山さんの初期の作品です。主人公と母親、花嫁や黒子が出て来たり、結構邪宗門に通じるものを感じる物語でした。主な登場人物はみんな仮面(羽布さん作)をかぶっていて、それがとても効果的に役者を登場人物として存在させているのが面白かったです。自分は照明として関わりました。反省も多いんですが、今回も中沢さんの大きな懐を借りて、いろいろ勉強させてもらいました。
事前には「今回はね、寺山さんの台本を使わせてもらって実験をいろいろしようかな、って思ってます」みたいな事を中沢さんは話していたんですが、お芝居はかなり台本に忠実な印象を受けました。難解で情報も多い訳ではない台本を読み解いて、立体化する中沢さんのイメージの豊かさが素晴らしくてとても魅力的だと、改めて思いました。
今回出演した役者の中には邪宗門がきっかけで中沢さんや寺山台本に出会ったのかな、と思う人もいたりして、少し嬉しかったです。
土曜はなんと、天井桟敷で活躍し万有引力の立ち上げメンバーの一人でもある俳優・演出家の根本豊さんが観に来られてました!打ち上げの席では昔の中沢さんの話など、コアなお話がいろいろきけました。
公演期間中、ネオンに泊まっていた井戸川紅烏さんと芝居の話や他にもいろいろな話が出来たのも、面白かったです。井戸川さんは、当日(土日)役者の写真入りの新聞を発行したり、記録ビデオを撮影したりする(時には出演もします)カフェシアターの公演の時以外はなかなか会えない人物です。時々ネオンに奇抜なアイデアの写真ハガキを送ってくれます。