長野市民日記-081
更新日:2014年01月21日|書いた人:【連載】長野市民日記
長野市民日記81 2014年1月20日(月)
今日、友人に手紙を書いた。
「よっちゃん元気?たぶん長野は寒いと思うけど体に気をつけてね。オレは今、中国のタクラマカン砂漠にいるよ。ウソだよ。東京にいるよ。でね…(以下略)」
電子メールではなくあえて物理的紙媒体に文字を書いてポストに投函する。気分的に。
東京に探偵の修行に来て七ヶ月目、寂しさがマックスに達したのである。
伊坂幸太郎のミステリー小説に登場するようなカッコイイ名探偵にあこがれこの世界に入ったが、考えが甘かった。
毎日、毎日、浮気調査である。昼も夜もカップルを尾行し、ラブホの近くの電柱に身をひそめるという生活。
“こんなことなら警察官になるんだった”という思いが脳裏に去来する。
しかし明日は初めての「迷い犬の捜索」。ちょっとハートフルな予感。この任務に成功したらやっぱり友人に手紙を書こうと思う。