井出マサヒコのイベントレポートブログ『安曇野からネオンを込めて②』
松川村にお住まいの井出マサヒコさんによる、イベントレポート第2弾です。
今月のオープンマイクイベント「名なしの0(ぜろ)」についてです。
以下に掲載します。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
2014/4/17(木)
「名もなきオープンマイク 名なしの0(ぜろ)vol.78」
おかげさまで公私とも忙しく、3カ月振りにネオンホールのオープンマイクイベント「名なしの0(ぜろ)」に出向きました。今回は、「名なしの0(ぜろ)」の紹介を兼ねながら、vol.78のレポートします。
自分が2年前、前々から出てみたいと思っていた朗読大会の予選会が横浜で開催されて参加しましたが予選落ちし、インターネットで「長野県朗読会」と検索しました。その時、初めてネオンホールと、このオープンマイクイベントを知りその月から参加するようになります。
「名なしの0(ぜろ)」は、主催者GOKUさんとスタッフ植草四郎さんが中心になって進められます。ネオンホールのステージ上で、誰でも飛び入り参加でき、様々な表現、パフォーマンスなどをしてもらうオープンマイクと言われるスタイルで、毎月1回おこなわれるイベントです。
主催者のGOKUさんが普段、朗読家として活動しているので、朗読が主体になる事が多いですが、参加人数や表現内容が毎回変わるイベントなので、そのままイベントが進められたり、様々な企画を提案したり実施したりと、GOKUさんが臨機応変に対応していきます。
今回のvol.78は、自分が2年間参加した中でも、参加人数が多く、表現内容も最も濃い日になりました。
その時によって順番決めの仕方は変わりますが、今回は参加される方々に何番目にステージに立つか決めてもらっていました。会場ではユニークな説明をしますが、ワンステージの持ち時間は、延長時間も入れて約10分、県外からの参加やプロの方、その時の表現内容など特別枠やゲスト枠の持ち時間は約20分ですが実際は(臨機応変という意味で)アバウトです。
参加の順番が決まりGOKUさんが1つ朗読されてから、オープンマイクがスタートです。
自分が2月に鑑賞したポップな歌姫、羽八夏さんがトップを飾り、朗読劇を披露します。運送会社での対話を題材にして、ホッコリした笑いを会場に誘いました。
2番手に、「大人のリゾート鉄道」というユニットでも活躍している田原さんが、ハードボイルドかつハートブレイクな内容の作品を朗読披露し、会場を引き締めます。
演劇もなされている3番手、みさきさんの弾き語りは、回を重ねる事に演奏技術もさることながら、情念が増していき迫力があります。
そして4番手は、初登場のオールドジェントルマン、ナガセさんがステージに上がり華麗なマジックを、オヤジギャグと交えて披露しました。通常の手品も凄かったですが、鳩が出てきたときは、さすがに皆ビックリし会場内は、喝采にあふれました。オヤジギャグの暴走に、申しわけなさそうにツッコミをいれる一緒に来られた娘さんも印象的でした。
そんな会場内の雰囲気後の出番は自分でした。変なプレッシャーの中、なんとか自虐ネタで乗り切ります。
ここで休憩し、ゲスト枠に入ります。まれにみるゲスト枠ですが、今回は2組と豪華です。
始めに県内を拠点に活動なされている音楽家の嶋崎達也さんのステージが始まります。ループステーションという機材を使い、ギターや鍵盤楽器にトライアングルなどのパーカッションの音を1つずつワンフレーズ録音して、その音をループステーションが繰り返し流します。そして段々と音が重なっていくにつれて音楽になっていきます。奏で造られていく音楽に癒やされ、完成されて終わる音楽にどこか切なさを感じる、聴き応えあるパフォーマンスでした。
ゲスト枠2組目は、詩の朗読ユニット「ポエム ドロイズオンリー」の詩の朗読です。カナダ在住の詩人、高山そらまる(宙丸)さんが中心になって活動なされてるユニットです。宙丸さんがウクレレなどを奏でて、宙丸さんの詩をユニットに参加したナツミさんが凛とした朗読をしたり、本人も朗読したりします。とても優しい朗読の中に詩の強さとブラックユーモアを感じました。
各自のステージが終わるとGOKUさんはコメントをされますが、宙丸さんの詩を、どこか尾崎豊氏を感じるとのコメントに、確かにと、過去の生きづらい頃の事を少しだけ語ったことが心に残ります。
ゲスト枠が終わり後半が始まります。
弾き語り青年のヒダイさんは、ギターを弾いたり止めたり、カポを付けたり外したりしながら自分の気持ちと会場との雰囲気が合うのを計らい一致してから、不器用だけど真っ直ぐなラブソングを歌い上げます。
いつもスタイリッシュな朗読をされるGOUKIさんは、音に合わせてリズムを取りながら作品を軽やかに格好よく朗読されました。
最後に告知タイムがあるのですが、そこを避けて、全国的に知名度と実力が高いミュージシャン「イースタン・ユース×ザゼンボーイズ」のライブを個人で企画し、会場とのコール&レスポンスをまじえながらの告知をする、小説作家もなされている中川さんは、鳥肌ものでした。
いつもは、トップを飾るスタッフ陣がトリで登場です。
GOKUさんが酔っ払いを演じながら朗読します。前に「お酒は呑みますか?」との質問に「酒癖悪いからあまり呑まない」みたいな事を聞いたが、酔うとこんな感じかな?と思って鑑賞してましたが、いつの間にか、ずっと観覧されてた女性がゆっくりと動きだし、踊ったり朗読しながらGOKUさんと絡んでいきます。会場内そして自分もビックリしながらも、以前に朗読大会予選会場で、パントマイムを披露した後「身体で朗読しました」と言い残し、予選会合格された方と言葉を思い出します。
大トリは、「ミスターオープンマイク」植草四郎さんです。GOKUさんが言葉を愛する人ならば、植草さんは言葉を楽しむ人で、物事のYESかNOの答え以外、第3の見方を詩にして朗読されるのがうまいと自分は思ってます。そこにこの頃、婚活の要素が加わり、いい感じに崩れていく植草さんに哀愁が漂います。
エントリーされた方々のパフォーマンスが終わるとGOKUさんが、他にされる方を誘います。その誘いで、ステージに上がりフリートークをされたり、時にはギターを取りに帰って披露される方がいましたが、今回は途中入場された、様々なカルチャーの達人、中牧さんが名乗りを上げました。
入院されてる友人への想いを語られ、友人に何か披露できないかとの考えの1つ、怪談話を朗読されました。朗読の迫力もさることながら、友人への色々な想いをステージ上で語り、その話を真剣に聞き入れる会場が、とても大切な雰囲気だと感じました。
パフォーマンスが一通り終わると、告知の呼びかけをされます。自作品が展示してあるギャラリー、県内外で出演されるイベント、ネオンホールで開催される演劇などの告知があり、最後GOKUさんの締めの言葉で終演しました。
基本的に毎月最終金曜日に開催され、ワンドリンクオーダーで入場無料です。観覧のみ、途中入場、途中退場OKですので、GOKUさん曰く、気軽に足を運んで下さいとの事です。詳細は、ネオンホールホームページや、そこからリンクできる「名なしの0(ぜろ)」のホームページをご覧になって下さい。
空気に触れると固まってしまう程の濃厚な時間を過ごし、普段なら家にたどり着く頃始まるラジオ番組「ジェットストリーム」も終わってしまう時間帯に、安全運転で安曇野へ帰りました。