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井出マサヒコのイベントレポートブログ『安曇野からネオンを込めて③』

更新日:2014年05月14日|書いた人:イベントレポート

松川村にお住まいの井出マサヒコさんによる、イベントレポート第3弾。
4月の鈴木林業の演劇公演について書いてくれました。

以下に掲載します。

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2014/4/20(日)
「鈴木林業演劇公演 第二回事業『ラップタイム」

 「ネオンホールで知り合った方々が出演されてるから行きたいなぁ」とか、「日曜のこの時間帯なら、見に行けるかな?」と迷っていました。そんな気持ちの最中、公開前にネオンホールでのオープンマイクでその演劇の告知をされて、さらにその方が「あなたが月原さんですか!」というご縁が重なり演劇「ラップタイム」を鑑賞することにしました。

 鑑賞当日は、1年で最も最適な気候(花粉症の方々は大変ですが‥)の中、至る所で 桜が満開している景色をドライブしながら堪能し、ネオンホールに向かいました。
 
 開場時、早速大道具の牧さんが舞台セットを紹介してくれます。正方形の白い箱が一角を支点にぶら下がり、計4つが舞台を囲むように天井から吊してあり、舞台には机だけが置いてあります。そんな、シンプル イズ ベスト過ぎるセットを見ながら「ん~?」と考えたり、確認はしなかったが「ネオンホールは、いつも不思議で、いい感じの曲が流れているな~」など思ったり、作・演出担当 月原さんの会場案内での気配りに感心しながら開演を待ちます。

 流れていた音楽が、男性から女性ボーカルへと変わり演劇がスタートです。学校教員の恋というシチュエーションからオープニングが始まります。切れのある(1名は切れのない)出演者達のダンスを、フラッシュ照明、そして吊らされた箱に立体的に映る映像がオープニングを盛り上げました。

 真面目で堅物な主人公の国語教師役を熱血に演じる鈴木さんに、チャラいキャラクターな歴史教師役を軽快にこなす青木さんが絡みます。それでも怯まない主人公に、普段は曖昧で時に鋭く接する理系の教師役を岡村さん((1名は切れのない)の方)がズッシリと演じます。男同士の暑苦しさに、音楽教師役の土谷さんが場を朗らかにまとめますが、主人公が恋したアイドル(体育)教師役のしゅうなさんがキュートに登場して物語の最初の山を迎えます。

 そんな中、「この国の公用語をラップにする」という不条理な出来事をラジオパーソナリティ役の小林さんがしっかりした滑舌で発表され、物語は有らぬ事になります。物語が様々な戸惑いを見せる中、ラーメン屋役のアカネバンさんが登場しリズミカルにラップを歌い上げ会場を魅了しました。話は、中盤に入ります。主人公に恋をしている女子学生の投稿が、ラジオで読まれる話へと変わりました。女子学生役の青柳さんが演じる中二病な振る舞いが、今の時代を感じます。

 演劇の始まりは、スタンダードな演技の中にそれぞれの教員の個性、録音の声を使った役の心境、不条理なストーリーとラーメン屋店員の入り方など話の土台作りの上手さを実感します。中盤での女子学生とラジオパーソナリティのやり取りは、お互いの深層心理をまるで回路図のような表現と台詞に圧巻しました。後半の役者全員での舞台は、恋の三角関係、悪女、公用語をラップにする期限がせまる、などの絡みを楽しみながら鑑賞してました。しかし、役者一人一人の演技を気にすると、その細かさに感銘を受けます。

 演劇は、ジェットコースターのように展開され最後は、全出演者が歌うラップ調の楽曲で幕を下ろしました。映画だったら今では、コンピューターグラフィックで表現してしまう所をどうやって演劇で表現しようかという思いを感じた場面があったり、プロジェクションマッピングを取り入れた舞台演出などコミカルで奇想天外なパフォーマンスが、観客に溶け込む劇だったという思いです。

 終演後、公開最終日とあって、楽しくカウンタートークされてる姿、チャラい演技とかけ離れ観客を送る姿、(道向かいの仮設トイレに悪戦苦闘した後のチラ見で)ネオンホールの階段に座り物思いにふける姿などを拝見し、演劇に関わった方々それぞれの達成感や「練習や用意が本当に大変だったんだろうなぁ」と感じながら、ネオンホールを後にしました。

 「牧さん、舞台セットを最初見てしばらく「ん~?」と思ってごめんなさい‥」と思ったり、ジローさん((1名は切れのない)の方)が劇中「異常を受け入れろ!」と放った言葉を思い出しながら、安曇野に帰宅します。

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