長野市民日記-105
更新日:2014年09月20日|書いた人:【連載】長野市民日記
長野市民日記105 2014年9月20日(土)
文章を書いた。
いや、書こうとした。友人から演劇公演用の脚本制作をたのまれたのだ。
昼下がり、近所の喫茶店“宇宙”のテーブルで原稿用紙を前に頭をかきむしる私。
「何もストーリーが浮かばない!」
物語中にぬれ場を盛り込もうと参考資料としてフランス書院のエロ小説を持ってきたが意味がない。
混濁した意識を振り払うため冷めたコーヒーを一口飲み、タバコに火をつける。そしてソレをふかしながら思った。
“調子が悪いのはM美ちゃんのせいだ”
M美ちゃん。同じ居酒屋で働いている女子。正直カワイイと思っていた。なのに昨日、先輩から彼女は店長と不倫していると教えられた。“そんなビッチに興味ない!”ハズなのに…。小さい声で“くっそ〜”とつぶやく。
六十分後、私は男女の愛憎をテーマに脚本を書き始めたのだった。