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「ハムレット?」リレーインタビュー⑧ -角居康宏さん-

更新日:2014年08月22日|書いた人:小川哲郎ネオンプロデュース演劇2014「ハムレット」

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ネオンホールのすぐ近くに、住居兼アトリエ兼ギャラリーを構える、ご近所アーティストの角居さん。
アートと演劇について、お話を聞きました。

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哲:唐突にあれですが、角居さんは演劇をよく観ますか?



角:演劇は長野に来るまでほとんど観ませんでした。
今もあまり観る方ではないですね。
こちらに来て役者やってる友人たくさん出来たので見る機会増えましたけど。



哲:あ、そうなんですね!
ネオンホールでやるお芝居には、よく足を運んでもらっているという印象があります。
ありがとうございます。
ネオンでのお芝居に限らず、今まで観た中で面白かったお芝居はありますか?




角:それまで演劇の見方(多分そんなものはないと言われそうだけど)がよくわからなかったので、本を読んだ時のような余韻を味わうことが出来なかったんですけど、友人と話し合う中でいろんなものを発見出来たという意味で、僕にとっては「マッチ売りの少女達」は印象に残っていますね。



哲:なるほど。。なんか、嬉しいです!

美術作品を観るのと、演劇を観るのってちがったりしますか?
とりあえず、見る側の物理的な制約っておおきいですよね?
なんかその辺についてどうでしょう。



角:以前、役者やってる友人に「角居さんいると場があったまってやりやすいわー」って言われたことがあります。それを聞いて自分が思ってるよりずっと演劇って双方向的なんだなーって思いました。
多分、役者と観客がお互いにテンションをあげていくっていう面もあるんじゃないですかね。
アートでも公開制作とかはそういう傾向あるけど最終的に「モノを残す」っていうゴールがありますからね。実際観客いなくてもいいし、作りたい形決まってるならその場のテンションとか関係ないし。
演劇の場合その場その場が勝負だから観客も巻き込んじゃいますよね。多分同じ演目を演じても違うものになるんじゃないですか。役者さんなんかはスゴく感じてると思うんですけど。今度聞いてみなきゃ。

双方向的だから観てるほうの熱も上がりますよね。
その場のその瞬間がだいじな“一期一会”的な感じがありますね。

アートの場合は作品によるのだけど何回も見れるし場の熱量はさほど高くない。
場とか瞬間とかでなくて作品が与える自分の内面を見てる感じがするんですよ。自分の内面だから持ち帰り可能。

言い換えると演劇はそこに行かないと食べられないレストランで、アートはお弁当買ってきて食べるみたいな感じがします。 



哲:うーん、なるほど。。
逆に、アートと同じ、と感じられる部分ってありますか?





角:アートと演劇・・・っていうくくりじゃなくて表現全体のことになると思うんですけど、ちょっと中毒的な魅力があるんじゃないですかね。
はまり込んだら抜け出せない的な。ただ演劇に特化した人、アートに特化した人とかは居るかもですけど。

僕のイメージでいうと体の中に怪物が居るんですよ。唐突ですいませんが。
その怪物「好奇心」ってヤツだと思ってるんですけど、すごく餌をほしがるの。
で、例えばテレビを見たり、買い物に行ったりして少しおやつあげる感じでなだめるんだけど、ホントはもっと感情自体を揺するようなおっきい餌を求めてて、涙流す程の感動とか、胸を締め付けられるような思いとかすると大喜びするんですよね。怪物が。
んで、もっとよこせって言う訳。

演劇の場合、場全体の一体感とか、ストーリーの巧妙さとか感動しちゃうともう怪物うれしがっちゃって「またこういうの味わいたいなー」みたいなね。旬のものをドラマチックに味付けしたレストラン。気に入ると何度も訪れる常連さんに。

アートの方はお弁当ですからね、お持ち帰り可能。例えば僕で言うと埼玉県立近代美術館のジャコモマンズーの枢機卿とか、富山県立近代美術館のジャコメッティの針金みたいな細い女性像とか、心の中でリフレインできるんです。んで、そういうのはキツい味付けじゃなくて滋味深い。じんわりとずっと怪物がうっとりしてる。反復も可能なので再度見に行くと若い時はわからなかった感覚でまた見れたり。で怪物がまたうっとりしてる。

要は自分の中の怪物の存在を認めたら餌を与え続けなきゃならない感じが共通な気がします。これは音楽とか表現全体ですかね。



哲:怪物かぁ、、なんか感動したときのアドレナリンの出具合とか、感情のコントロール難しさとか、そもそもこう「感動したい」と漠然と欲してる感じとか。
一つの人間らさともいうんですかね。なんかしっくりきます。
そして、うっとりしてるって、かわいくていいですね。
いいえさをあたえ続けていきたいですね!
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ネオンホールプロデュース 演劇公演2014 vol.2
「ハムレット?」
原作:シェイクスピア
翻案/構成/演出:西村和宏

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25歳以下の長野の若者と香川県四国学院大学の演劇コースの学生16人が
真夏のネオンホールで古典の代名詞「ハムレット」に挑みます。
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