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「ハムレット?」リレーインタビュー② -稲田英資さん-

更新日:2014年08月16日|書いた人:小川哲郎ネオンプロデュース演劇2014「ハムレット」

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第2回目は、ネオンブログに寄稿してくれている稲田さん。
3月のプロデュース公演がきっかけで、初めて台本を書き、その作品先日のネオンホール短編劇場で上演されました。

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哲:いつも、お世話になってます! なんか稲田さん3月の『マッチ〜』が終わってからいきなり台本書き始めたり、急に演劇づいたな! って、驚き半分嬉しさ半分感じてるんですが、演劇のどんなとこにひかれたんですか? っていうか演劇にひかれてるんですかね?
稲田さんのなかで何が起きてるのか、興味深いです。


稲:うん。ぼくもちょっと驚いています。哲郎さんほどじゃないけど。笑
台本を書き始めたきっかけはマッチですね。確かに。自分でもすごくよく覚えているのは、マッチが終わったすぐ後にゆかりさんが走ってやってきて「稲田さん、(この劇について)教えて!」って言われて。
マッチは観終わった後にもやもやする劇で、自分でもそれは分かっていたので、もやもやを抱えて帰ろうと思っていたのだけど、ゆかりさんにそれを言われた瞬間に頭の中で「この劇をどう説明するか」みたいなスイッチが入って。 それまで邪宗門以外に演劇を観たこともないし、自分にとって演劇は「通り過ぎるもの」だったのが、そのスイッチでいったん自分の中に入れてアウトプットするものになったっていう感じはすごくよく覚えています。
それでゆかりさんにマッチの感想みたいなレポートを送ったのですが、それだと何というか、自分の中にあるモヤモヤがあまり減らなかったんですね。それよりは「アウトプットする」という経路ができちゃったので、これは出さないとしょうがないぞみたいな感じが残って。それで台本を書き始めたっていうのが自分としてはあります。

でも、アウトプットって「こういうのがいい!」っていうイメージがないと難しいんですよね。それで試行錯誤していて。そんなときに夏海さんに『わが星』のDVDを貸してもらって、それがすごくよくて。こういうの書きたい!って思って。それで開き直って書いたのが『ほしのかけら』でした。マッチから短編までの経路を大雑把にいうとこんな流れで。
だから、哲郎さんの「っていうか演劇にひかれてるんですかね?」っていう質問はけっこう難しくて、「やってみたら、あっという間に数か月たって、演劇にひかれているかどうかっていう自覚すら自分にも分からない」っていう感じです。なんだそれ。笑
でも、八月に上演される『わたしの星』も予約したし(楽しみです)、さっきまで『桜の園』と『三人姉妹』を読んだりしてて(かもめの方が面白いなーと思ったり)、「演劇を面白がろうとしている自分」や「演劇から何かもっと出せるんじゃないかと思っている自分」はすごく感じています。

あと、もちろん、(ネオンホール短編劇場の)丘ペンギン競技会で上演してもらえたことはすごく嬉しかったり、励みになっていて。 でも、それはどちらかというと台本を書き始めたきっかけというよりは、(恥ずかしいけど大きな声で言えば)「次もやりたい!」っていう気持ちに結びついています。
自分の書いたものが自由に解釈されて一つの世界になっていく過程や、演出家や役者さんたちの手によって上演される劇作品そのものがぼくにとってすごく面白くて。その感覚が新鮮でわくわくしました。だから、今は「またやってもらいたい!」とも思うし、「やってもらうに足るものを書きたい」って思っています。



哲:うーん、面白いです。 なんか誰かが演劇を始めるのに年齢は関係ないって言ってた気がするけど、それを目の当たりにしている感じがします。 結構、ピュアですよね。初期衝動のようなものを感じます。 四十の手習いじゃないですが、稲田さんが台本書いてもってくる様子をみて、なんかいいなぁって思います。
単純にうれしいですよね。 なんだろう、こう、挑戦してくれる感じとか。 作品でより稲田さんのことが知れたり。
というか、はまりはじめていますよね。 あと、演劇の入り口が“書く”っていうのも、 あんまり自分の周りにはなかったケースだと思う。 やっぱり圧倒的に出るケースが多いと思うので。


稲:ピュアですかね…。うーん、自分じゃよく分からないですが、これについてはやりたい気持ちとかを誤魔化さないでやろうって思っています。その辺、ぼくは苦手だったのですが、やっぱりちゃんとやろうって。

あー、そうですね。ぼくは「書く」という入口でしたね。それは間違いないです。 ぼくは「考える」と「書く」がほぼイコールで、ゆかりさんがきっかけで「考える」ために「書く」ことが始まったのですが、レポートを書いただけではマッチのもやもやは全然解消されなくて。そういう意味ではマッチの存在は大きかったです。どんだけもやもやが大きいんだという。笑
うん。はまりはじめてますね。いまはいろんな戯曲を読むのがすごく面白いです。シェイクスピアは初めてでしたが、ハムレットも面白かったです。



哲:おー! どんなところがおもしろかったですか? 因みに、それは翻訳はだれですか?



稲:えーと、翻訳はベーシックに福田恒存さんです。新潮文庫の。
シェイクスピアは今回初めて読んだのですが、台詞は修飾が多いのに(というか九割修飾ですよね)テンポが流れるようによくて、読んでいて気持ちよかったです。よく知らないけど歌舞伎のようにいったんその様式やリズムに入ってしまえれば後は気持ちよさに浸っていられるみたいな。
だから、第一幕第一場を読みきってしまえば後は本当にするするーっと読めて、物語として単純に面白いと思いました。物語を前に進ませる力がすごく強くて、なるほどエンターテイメントだなーって。

「ハムレット=生きるべきか、死ぬべきか。それが問題だ」しか知らなかったぼくが初めて読んでまず思ったのは、ハムレットは狂騒のなかに自分を置く、もしくは狂騒の火を焚き続ける若者なんだということでした。
ハムレットがというよりも、シェイクスピアがこの作品についてそう仕向けたと言ってもいいのかもしれないけれど。それは意外なほどそうで。
父の敵討ちも、「生か、死か、それが疑問だ」も、オフィーリアの死も、最後の試合すらも狂騒という花火の焚付に過ぎなくて。物語の軸のはずだった父王の敵討ちなんて終盤は薄れてしまうくらいで。

悩みも、怒りも、恋も、憤りも、焦燥感も、感情のすべてが狂騒のなかにある「状況」そのものが青年期だとすれば、これは確かに若者を描いた物語だと思いました。
だから出演者全員を二十五歳以下に限定した今回のやり方は面白いなーと思うし、「どんな演劇になるんだろう?」と今からとても楽しみにしています。



哲:狂騒、若者、、うーんなるほど、なんだかとってもすっきりしました。
ありがとうございます。
本番まで頑張ります。 ご期待下さい!


稲:うん。とても楽しみにしています。
二十三日に『わたしの星』を観に行って、二十四日に『ハムレット?』を観る予定です。楽しみ。しかし、こんなスケジュール、半年前のぼくからはとても考えられないよ。笑
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ネオンホールプロデュース 演劇公演2014 vol.2
「ハムレット?」
原作:シェイクスピア
翻案/構成/演出:西村和宏

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25歳以下の長野の若者と香川県四国学院大学の演劇コースの学生16人が
真夏のネオンホールで古典の代名詞「ハムレット」に挑みます。
詳細はこちら→
ご予約受付中です!

ハムレット?稽古2日目

更新日:2014年08月16日|書いた人:ネオンプロデュース演劇2014「ハムレット」

ハムレット?稽古2日目はネオンホールで。
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「ハムレット?」リレーインタビュー① -西村和宏さん-

更新日:2014年08月14日|書いた人:小川哲郎ネオンプロデュース演劇2014「ハムレット」

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いよいよ明日から稽古が始まる、プロデュース公演「ハムレット?」!!
公演日までの間、いろんな人に演劇や、ネオンや、ハムレットなんかについて、
インタビューしていこうという企画です。
第一回目は、今作の演出家・西村さんに、いくつか質問してみました。

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哲:西村さん、お疲れさまです、間もなく稽古が始まりますね。。
ドキドキします。準備ひきつづき頑張ります!
前回の公演をネオンホールでやったことで、今回も実現できる部分も大きいかと、勝手に思ってるんですが、3月の公演、やってみてどうでしたか?
ネオンホールって劇場としてどうなのかなって、あんまり他と比べられなく、わからないんですが。。


西:長野での創作はこれで9作目となりますが、ネオンホールで創ったのは前回が初めてでした。
まずは思ったのはスタッフの受け入れの心地よさですね。
アーティストと作品を一緒に創る、という姿勢が染み付いているな、と感じました。

あとは、空間として心地よいと思います。
まぁ、もちろん、柱があったり、使える機材も少なかったりして、なんだかんだと不都合なことも多いですが、”気”の流れのよさがいいなと感じました。
それは20年、音楽や演劇をやり続けてきた、この場所を愛している人がいる、そういうことに関係していると思います。


哲:…とても嬉しいです!!
『アーティストと作品を一緒に創る』
部分は、感じ取ってもらえたらとっても嬉しいです。
日々、結構そのことについて考えています。
バンドにしろ、演劇にしろ、やってくれる人がいて、でもみてて惜しいなと思う部分が正直あったりして、それについて話をしてみたり、またステージの外側にいる自分たちに出来ることで、より面白くなることってあるだろうなって。。

マッチ(3月の公演)のときは、役者は、役者に、演出家は演出家に専念して欲しい。そんな思いが強かったです。
“気”の流れは、3月の公演があって、さらに良くなったと感じています。
もっと良くしていきたい。

ハムレットは、既に香川で学生の皆さんと創った作品ですよね?
どうして、ハムレットをやろうと思ったんですか?
何となく自分たちにとって、シェークスピアってなんか大変そう、っていうイメージがあったりします。「シェークスピアかぁ…」みたいな。


西:今回の作品は2部構成になっています。
1部が2012年冬に学生たちと創った「たぶん、ハムレット」という作品を元に創ります。
これは、授業の発表会のときに創ったので、
演劇をまったく観たことがなく、興味もない、シェイクスピアってなに?みたいな学生が観にきて、
「へー、意外とシェイクスピア面白いじゃん」
みたいな感じで観れることを目指して創った作品です。
ハムレットを45分くらいにコンパクトにめとめて、学芸会風で脱力系です。
2部は「Hamlet/Body」という新作です。
ハイナー・ミュラーの「ハムレットマシーン」という、1977年にハムレットを解体し、当時の東ドイツの社会の様子を描いたテキストがあるのですが、それにインスパイアされた言葉の羅列と、出演する若者の今の悩みを羅列して、
現代の日本の社会をどうにか表現できないか?と考えています。
まぁ、こちらはどうなるか、稽古が始まってみないと分かりません。
稽古しながら、今の仮説がただしいかどうか、試したいと思っています。

で、なぜ、「ハムレット」かということですが、
それはやっぱり、日本がこういう時代になっちゃったから、というのが大きいと思います。
秘密保護法、集団的自衛権、憲法解釈
ほんの少し前なら、信じられないようなことが今、起こっていて、
そういう混乱の時代においては、やっぱり「ハムレット」だな、と。
私は「ハムレット」は
混乱の時代に、混乱のまま、ひとりの若者が悩み続ける話だと思っていて
だから、その部分を上手く舞台にあげることができれば、
観る人がいろいろ考えられる作品になるんじゃないかな、
そういう作品を創りたいな、
と思っています。

『シェークスピアってなんか大変そう、っていうイメージがあったりします。』

あと、そういう人たちに、演劇ってなんでもいんだ、みたいなことを思ってもらえたらと思って、今回は古典をやろうかと。それにちょうど今年はシェイクスピア生誕450周年ですし。


哲:なるほどです。。
若者の悩みは時代や社会を反映しているのかな、という気はします。
最近だと、どんな仕事をしようかとか、どこに就職しようかとか。
…若いって、イコール悩むことだったりするんですかね。
なんだかこのごろ20代の人たちと話をしていると、数年前の自分のことがよくフラッシュバックします。

今回年齢制限を設けて、若者と創るというのも初めての試みなので、楽しみですね。
(怖さもありますが、、笑)
西村さんは、普段学生たちをみていて、どんなことを思うんですか?

西:単純に羨ましいなー、と思います。
まだ、これからの人生がまったく決まってなくて、どうとでもなる、というのはいいなーと。
本人たちにとっては不安と悩みだらけだとは思うんですが。
彼らのころに想い描いていた将来って、40歳頃のことだと思うんですね、最近。
だから、彼らにとって(もしくは20歳のときの私にとって)、今の私は「将来なう」なんですよ。
もちろん、私だってこれからの目標もあるし、やりたいこともある。
でも、それは、いろんな選択肢がもう狭まれた中での目標でしかない。
しかも、年齢をかさねて背負うものもできて、自分のためだけに生きる、ということはできない。
彼らは、それができる。
そういうのが羨ましいな、と。
まぁ、とは言っても、その頃に戻りたいか?って聞かれたら絶対嫌ですけど。

今回来る学生は2年生~4年生までばらばらなんですが、
特に3、4年生はこの四国学院大学演劇コースの立ち上げメンバーなので、
私自身、すごく思い入れが強いです。
大学としても初めての試みで、私も大学の教員をやるのも初めてで、学生たちには先輩もいないし前例もなにもない、
誰もかれも右も左もわからない、という状況でこの2、3年、走ってきたので、
学生ー教員、というより、劇団創立メンバーくらいの関係性じゃないかな、と思います。
去年、私の作品にレギュラーででている学生は12から13本くらいは出演してますから、
その辺のプロよりよっぽど出てます。
しかも、そのほとんどが有料公演で、私以外のプロの演出家とも作品を創っています。
おそらく今、日本で一番演劇をやっている学生たちだと自負しています。



西村和宏
今作の演出家。サラダボール主宰・青年団演出部・四国学院大学助教。
1973年兵庫県生まれ。主宰劇団での活動の他に、地域市民や高校生向け演劇WSなどプロの俳優向けでない演劇WSを多数行い、芸術を起点とした地域のコミュニティの再編成・地域活性化を目指した活動も行っている。
長野での市民劇創作は今作で9作品目となる。

2014/7/6(日)店番ブログ・「ハムレット」配役選考会 / ライブ

今日は、プロデュース公演「ハムレット」の配役選考会を行いました。
今作「ハムレット」で募集した出演者は高校生〜25歳までの若手です。

会場は城山公民館をお借りしました。
部屋を借りる手続きで、何回か公民館を訪れたのですが、職員さん達が演劇やネオンホールに対して興味をもってくれているのが嬉しかったです。

配役選考会は、昼過ぎから、夜までの長丁場した。
見学者も参加しながら、いろんなことをしました。
テーマを設け簡単な演劇の創作、そのブラッシュアップ、台詞を覚え実際に演技をして、西村さんが演出をつけたり、出演者自身のモノローグをハムレットのテーマに絡めて構築したり。


導入のゲーム


しぶしぶ?!小芝居に参加した夏海による共演者近景
(UFOがきてかすっぺがさらわれちゃったんだよって説明している哲郎。)

稽古は8/14から始まります。ぜひ興味のある方は見学して下さい。

選考会が終わった後、ネオンに戻るとこの日のトリを務めるやすみ君が歌っていました。
やすみ君のうた、大好き。「ロッカマイベイビー」のカバーの安心感、すごかったです。
声もギターもいいんだけど、歌うことの表現がすごく無理ないというか、きいてて、みててとても心地いい。

ネオンプロデュース演劇公演「ハムレット」配役選考会について。

更新日:2014年07月05日|書いた人:ネオンプロデュース演劇2014「ハムレット」

いよいよ明日、7/6(日)に迫った「ハムレット」の配役選考会についてです。
時間と場所は以下の通りです。

■会場:長野市城山公民館303室
住所:〒380-0852 長野県長野市長野東之門町2462‎

■時間:
14:00開場・受付
14:30開始
21:20終了

見学は自由です。
直接会場にお越し下さい。

出演者も、本日7/5(土)いっぱい応募を受け付けていますー!
ぜひご参加下さい!
(募集についてはこちらをご覧下さい。)

全て見る/  1 /  2 /  3 / 4



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