nepontop11.jpg

Blog rssicon

長野市民日記-088

更新日:2014年03月31日|書いた人:【連載】長野市民日記


長野市民日記88 2014年3月30日(日)

 朝目覚めるとバーだった。
 バーはバーでもそこはゲイバー。店の装飾はだいたいパープルで統一されている。ちなみに店名は“ナイスガイ”である。
 昨夜、店でドライマティーニを十杯飲んでそのままぶっつぶれたのである。
 マスター(ゲイ)に「ちょっと飲みすぎだぉ」と注意されたがきかなかった。
 私は昨夜女性にフラれた。三年間一途に好きだったAちゃんに完ペキにフラれた。
 彼女は私の思慕の念「つきあってください!ってか結婚してください!」という思いを優しく、力強く、ざんぎゃくに握りつぶしてくれた。“グシャ”って感じで。
 私はベロベロになりながらマスターに問いかけた。
 「ねえマスター、オレの〜、オレの〜運命の人はどこなの〜?」
 マスターはアイスピックで氷を突きながら「そんなの知らないおぉ」と言った。

稲田英資 センチメンタル冗長ブログ「大人になれば」第8回

更新日:2014年03月28日|書いた人:【連載】稲田英資「大人になれば」

sentimental0328.jpg

週刊 中川よしのの400字 030

更新日:2014年03月25日|書いた人:【連載】中川よしのの400字

NY400w_0325.jpg
■中川よしのプロフィール
1975年、石川県生まれ、長野県育ち。既婚、家猫を溺愛中。
本名でfacebook(https://www.facebook.com/kenji.nakagawa.395)やっています。
権堂アーケードで流れるボイスドラマの脚本も担当。
次回は3月28日(金)のpm12:00より生放送。
「奇妙の夜」というタイトルの河童のお話です。
こちら(http://p.tl/5z4b)で視聴できますよ。録画でも観られますー。

長野市民日記-087

更新日:2014年03月21日|書いた人:【連載】長野市民日記


長野市民日記87 2014年3月20日(木)

 今日、上野公園から帰ってきた。
 一ヶ月ぶりに長野の自宅へ帰ってくると弟が開口一番こう言った。
 「なんか兄ちゃん、ウンコくさいんだけど」
 あたりまえである。この一ヶ月間フロに入っていなかった。東京上野でホームレス生活をしていたのだ。
 なぜか?自分の意志をたしかめるためだ。
 進路指導の神山先生から卒業後の進路をきかれ“革命家になります!”と答えると、「それじゃあ将来ホームレスになる覚悟はできているのか?」と言われた。
 だから春休みを使って体験してみたのだ。
 日がな一日、道行く人にハトのエサ(豆)を売り、夜になると近くのテントのおっさん達とカップ酒を飲む。そしてラジオを聴きながら眠りにつく。そんな日々。
 おととい先生にハガキを送っておいた。
 「ホームレス上等デス」と。

週刊 中川よしのの400字 029

更新日:2014年03月18日|書いた人:【連載】中川よしのの400字

NY400w_0318.jpg

1975年、石川県生まれ、長野県育ち。
個人ブログ「中川よしのは、ここにいます。」(http://nkgwysn.exblog.jp/)で
日々の雑感を綴っております。ツイッターも「中川よしの」でやってますよ。
facebookは放置していたのですが、思うところがあり本格的に始めてみました。
本名で https://www.facebook.com/kenji.nakagawa.395 にいます。
楽しさがようやくわかって参りました。どうぞヨロシクお願い致します!

2014/3/17 ライブ

更新日:2014年03月17日|書いた人:大沢夏海イベントレポート

経緯がよくわからないまま、ニイタカヤマ(バンド)のライブの後に、舞踏が始まった。
まるさんの「あーあ、あーあ」「んあどあすぃzんx(?)、テーブルトイスモッテドコイクノ、テーブルトイスモッテドコイクノ、テーブルトイスモッテドコイクノ、アーア、アーア」でクライマックスをむかえ、終了。

謎の空気のまま次の出演者、田沢明善君のステージ。田沢君、がんばる。

そんなネオンホールらしい夜。


■出演=コイケテツヤ、ニイタカヤマ、茶臼山セッション、田沢明善、密獣アンサンブル

満たされました。

natusmi

2014/3/14(金)TheEndワンマンライブ2デイズ 「ひとすじの縄」1日目、セットリスト。

更新日:2014年03月15日|書いた人:小川哲郎イベントレポート

TheEndワンマン2デイズの経過報告ということで、一日目のセットリストです。

1. ポップアート
2. ータイトル不明ー(暮れていくまち)
3. 県知事について
4. 権堂の中心で角を曲がる
5. 30歳
6. ブルースから逃げるためのブルース
7. カミングアウト パート2
8. バンジージャンプ・ガムテープ・ドッグのブルース
9. 前回までのあらすじ
10. あいつの奥さん
11. のびのびジーンズ工場
12. 喜怒哀楽(キッドライラック)のテーマ
13. GREEN
14. パラパラマスターのフミヤはバイトの後輩でした(降り積もる雪のように)
15. 子どもを殴ったサンタクロース
16. くノ一忍法帖の新しいビデオが出たのに
17. 彼女の家族はひとりのこらず中日ドラゴンズキチガイ
18. こちらのレジへどうぞ
19. 今日は死ぬのが面倒くさい
20. 二塁打
21. 雪だるま
22. りんご
23. にせもののギブソン
24. 段ボールおじさん
25. ロックンロール
26. ヘッドスライディング

ec1. 引き潮 w.山川のりを
ec2. お弁当箱(Vo&Gt:山川のりを、Ba:TheEnd)

3時間40分、休憩なしで28曲。
これだけ沢山聴いても、まだまだ聴きたい曲がある。
あまり長いとは感じなくて、むしろ時計をみてびっくりしました。

知らない曲が結構あったけど、そのうち半分は昔の曲で、もう半分はごく最近の曲でした。

アンコールでは、オフで聴きに来てくれていた山川のりをさんとの合奏。
自分のワンマンでありながら、まさかのベースを演奏しての終わりでした(桜井さんらしい)。

今日は、コアなTheEndファンの方がほとんどだった様子で、みんなストイックに聴き続けてました。なんとなく「明日世界が終わります」と知らされて、この世の終わりにTheEndの歌を聴きたいと集まって来た人たち、を勝手に連想しました。そして、ぼくはもし明日世界が終わるんだとしてもTheEndのライブが観れたらなんかちょっといいかなと思いました。10年ちょっと聴き続けて、ようやくTheEndの名前の意味がすこし分かった気がしました。

きっと明日はまた全然違う感じになるんじゃないかと思います。
ファン(自分も)にとって、貴重なライブだと思います。
どうか、ぜひ聴きに来て下さい。

稲田英資 センチメンタル冗長ブログ「大人になれば」第7回

更新日:2014年03月14日|書いた人:【連載】稲田英資「大人になれば」

sentimental0313-01.jpg
sentimental0313-02.jpg

長野市民日記-086

更新日:2014年03月12日|書いた人:【連載】長野市民日記


長野市民日記86 2014年3月10日(月)

 今日、墓参りに行った。
 近所の寺。御先祖様と祖父母と母の骨が入っている墓の前で手を合わせる。「ナムナム」と。
 雪がチラチラとふっている。三月の雪だ。
 「早く暖かくならないかな〜」と空を見ているとケータイがブルブルふるえた。
 看護士さんからだった。私が担当している患者N島さんの容態が急変したのだ。血圧が一気に下がり、心拍が停止直前の数値だという。
 昨夜のN島さんの言葉を思いだす。
 「ワシ、もうジイさんだからいつ死んでもイイよ。でも先生、アイス買ってきてくれ」
 アイスを看護士さんに食べさせてもらいながらピースするN島さん。
 私はケータイを握りしめ声をはり上げる。「ボスミン(強心剤)三百グラムおとして。あと電気ショックの用意。すぐ行く!」
 通話を切ると駐車場に向かって駆け出した。

ネオンホールプロデュース公演 終了しました。

更新日:2014年03月12日|書いた人:イベントレポート

1月に配役選考会をしてからはや2ヶ月。
ネオンホールプロデュース公演が無事終了しました。
プロジェクトが具体的に本格始動始めてから2ヶ月(!)、
本チラシができてから約2週間と、短い告知期間にもかかわらず
400人弱の方にご来場いただきました。
かかわってくださった皆様、本当にありがとうございました。

蔵春閣からネオンホールに会場を移して、
できるようになったことも、できなくなったことも、きっとありました。
わたし自身は西村さん演出の演劇企画に参加すること自体初めてだったので
昨年までとの比較はできませんが、
2週間という短い時間でたくさんのことを決断して、で、完結させる、
終着駅まで到着させる、という行為自体とても新鮮でした。
なんというかバンドでいったらある程度楽器できるメンバー集めて、
でも楽器も買いそろえるところから始めるけど、本番は2週間後に一度きり、みたいな感じ。
曲覚えて暗譜して楽器の音が出るようになっても、
お客さんの心揺るがすような合奏しようと思ったらそれなりに年月かかるわけで。。
終着駅にきちんとたどり着くのは、やっぱり難しい。
でも終着駅は「ある」ってことを具体的にしていく、演出家の仕事を間近でみれたのはすごく面白かったです。

そうはいっても、演奏だけすればいいってことでもなく、そのステージも作るってことで、稽古と同時進行で、アルテックを運び出し、音響卓も運び出し空っぽになったネオンホールにビールケースを山ほど(実際に山)搬入して、コロシアム形式の客席をくみ上げ、シャンデリアをぎりぎりで探し出し、ワンピースを3着とポシェット3つを作ってもらって、あちこちから小道具をかき集め、照明を組みました。
毎日膨大に増えていく TODOリストにめまいを覚え、いろんな人のそれぞれの特技?に感心し、若林君の楽しそうな姿に癒されました。
ただこのスピード感でできたのはいつものチームだからというのと、
それ以上にやっぱりこれまでの5年間で蓄積した経験の成果なんだろうと思いました。
わたしはその積み上げた物に乗っかった感じで、割とマイペースに楽しく仕事をさせてもらいました。すいません。ありがとうございました。
(写真も、もうちょっとまじめにとればよかったか。。)

IMG_1153.JPG
IMG_1079.JPG
IMG_1089.JPG
IMG_0044.jpgIMG_0043.jpg
IMG_0049.jpg
IMG_1049.JPG
IMG_1134.JPG
IMG_1156.JPGIMG_0023.jpg

個人的に稽古を含めて楽しい演劇イベントをしたいというより、心動かす作品を作りたいと思って参加していました。
結果、できたものに対して全く客観的に観られない(わかってたけど)ので、なんというか、もうちょっと(来年も)やってみたいなと思ったのでした。


以上。ネオンホール的レポートは店長ブログに期待。

natsumi

あ、そうそう、ステージでつかった道具類を販売しました。
舞台セットの鏡、ダイニングテーブル&椅子、鏡から、テーブルの上のお茶セットまで。
おかげさまで微妙に売れました。ありがとうございます。
エコ演劇。
どうぞ大事に使ってやってください。

IMG_0062.jpg
IMG_0061.jpg

週刊 中川よしのの400字 028

更新日:2014年03月11日|書いた人:【連載】中川よしのの400字

NY400w_0311.jpg

■中川よしのプロフィール
1975年、石川県生まれ、長野県育ち。
個人ブログ「中川よしのは、ここにいます。」(http://nkgwysn.exblog.jp/)で
日々の雑感を綴っております。ツイッターも「中川よしの」でやってますよ。
あと、「傘に、ラ。」という音楽、演劇、ポエトリー・リーディングなど
ジャンルをクロスオーバーする自主企画イベントを4年振りに開催します。
詳細は4/4金am10:00発表です。乞うご期待!

週刊 中川よしのの400字 027

更新日:2014年03月11日|書いた人:【連載】中川よしのの400字

NY400w_0304.jpg

■中川よしのプロフィール
1975年、石川県生まれ、長野県育ち。長野市在住。
福山雅治さんは嫌いじゃない。同性から見ても男前で羨ましい。
ビールを飲むならアサヒスーパードライな私。
あのCMの福山さんもカッコいいなあ。嫉妬します。
個人ブログ「中川よしのは、ここにいます。」(http://nkgwysn.exblog.jp/)で
日々の雑感を綴っております。ツイッターも「中川よしの」でやってますよ。

ネバメン君の「穴掘りインタビュー」web版 2013年5月のゲスト◎The End

更新日:2014年03月10日|書いた人:ネバメン君の「穴堀りインタビュー」

 長らく更新が滞っていてすみません、ネバメン君です。3月14日・15日、ネオンホールでThe Endのワンマンライブが行われます。それを記念してThe Endのインタビューを、期間限定(3月末日迄)で公開します。ライブと合わせてお楽しみください。

ネ:今日のライブ(2013年4月21日,松本alecx)はどうでしたか。

T:うーんどうだろうな。難しいっすよね。終わったばかりで考えられない。
そのときはワーっとなってても、よく考えたら薄っぺらだったなと思うときもあるし。

逆に、調子の悪いライブのなかで、何か先につながる大事なきっかけをつかむこともあるんですよ。だとしたら、それは良いライブだったとも言えるわけで。

お客さんの反応も、拍手のデシベルだけで測れるものではないし、スポーツのように勝負の判定もないから、終わってすぐの気持ちは自分でもあんまり信用していないし、特に分析もしないんです。おれは打ちっ放しのゴルフかよ(笑)。

例えば、「ロック」はお祭りで、ドアーズの「反対側に突き抜けろ」じゃないですけど、非日常を目指すものだと思うんです。現実感を失いながら、それをいかにコントロールできるかってもんで。まあ、そこにある矛盾が面白いんだけど。

それに対して「フォーク」は日常がテーマであって、そもそもロックとは行為の目的が違うと思うんです。

祭りは目指すものが決まっていて、できるだけハイになろう、なるべく盛り上がろうとするものですけど、僕がやっているフォークは、そんなに高揚するためのものでもないんですよね。

ただ、会場に居る皆さんとの関わりのなかで、行こうとなったら盛り上がるという感じですかね。「ここに居るなかで、自分が一番ぶっ飛んだ人間だ」と、不意に証明したくなったらそのようにさせてもらいますが、それは目的じゃなくて歩み寄るための手段とでも言いますか。

高田渡さんが、演奏中にお客さんが手拍子を始めたところで「ヤメロー!」とかいって突然怒りだしてさ、「乗ればいいってもんじゃないんだ」ってそこから延々と説教始めたことあったでしょ。あれがフォークのハードコア(真髄)だと思います。かなり極端ですけど。目指しているものが祭りじゃないという意味で。本来は、予定調和よりもそのときの気持ちを優先するべきものなんです。

ボブ・ディランも、1966年くらいにバイクで事故を起こして、一回リタイアしてますよね。その事故る前のディランたるや聴衆から祭り上げられていたんですよ。

卑弥呼じゃないけど、祭りのシンボルとして。フォークとしてのディランはそれを窮屈に感じていたんでしょうね。

事故については色々言われてますけど、あれはそれほど大した事故じゃなかったという説を僕も信じます。

僕は、ディランはそういうトーテムポールとか避雷針みたいな役を降りたかったんじゃないかという気がするんです。

事故った後のディランは力が抜けちゃって、しばらくは腑抜けて責任を放棄するようなことをしていましたね。「ブリンギング・イット~」と「ブロンド・オン・ブロンド」の彼にあったギラギラ感が、「ジョン・ウェズリー・ハーディング」や「ナッシュビル・スカイライン」には無い。

で、実際にはディランもロックかフォークの「どっちか」という二択ではなくて、時期によって移動しながら、ロックとフォークの「中間のどこか」に身を置いていると思うんです。例えば、1975年からのローリング・サンダーレビューでは顔を白塗りにして、一時的にトーテムポールの座に返り咲いているという具合に。

かなり話が逸れたけど、僕はどっちかって言うとフォークに比重を置いているほうじゃないかと自分で思ってます。ディランや高田さんの後でおれは自分の話するのかよ(笑)。誰だよ(笑)。

だから、ワーってなれば良いってもんじゃなくて、どれくらい深く人の心に入って行けるかという事の方が重要っす。さっきも言いましたけどその日の気分で、みんなで決めるっていうか、ここまで行きたい、というのを僕が決めるんじゃなくて、皆さんとの関わりの中で決める。それで最後にドーンとなることもあるし、ならなくてもだめというわけじゃないんです。それはもうサイコロを振ったときの出た目というか。「出鱈目」という言い方もあるけど。人によってはそんなので良いんですかって言う人もいるかもしれないですけど、僕としては自分なりにそれもまた誠実な表現じゃないかなと思ってます。

ネ:ライブの中身はどれくらい決めからやるんですか?

T:直前まで楽屋で考えて、八割方は決めてステージに上がります。でも残りは、曲を入れ替えたり、これやめてあっちにしようということは結構あります。バンドだと難しいけど、自分は一人でやっているから、そういうのは自由にできますね。

ネ:自由さと心細さがありますよね。

T:そりゃ両方っていうのは虫のいい話だから。自由を手に入れるなら、孤独とも付き合って行かないと。

ネ:昔と比べてライブのやり方は変わってきましたか?

T:変わっている部分もあるし、変わっていない部分もあると思います。
昔はyoutubeも無かったから、ライブの場所に出かけて行って、お客さんの前で自分の演奏を聴いてもらうのが当たり前で、それしか無かったんですよね。

録音したものを配って聴いてもらうとか、あんまり気が進まなかったな。僕は録音するMTRっていうの?そういう道具も持ってなかったし。作っても気にくわないものばっかりだったし。自分ができることをやってきただけなんです。

CDを録音して配るということは、CDを聴く自由をお客さんに与えるわけですよね。やっぱり車を運転しながら聴くだろうし、部屋を片付けしながら聴くだろうし。いろんな状況の中で自分の音楽を聴いてもらうってことを考えたときには、この昔ながらのスタイルでは難しい気がするんです。電波が微弱過ぎるっていうのか。

このやり方でこちらのイメージを伝えるには、受け取る側にもある程度「聴く」って言う体勢になっていただいて、想像力を積極的に働かせてもらう必要があるんです。受け手の意欲やインテリジェンスによる部分が大きいから、マグロ状態の文字通りの「お客さん」には何も伝えることができない。

声とギターがあれば表現は成立するのかもしれないけど、ライブではそれ以外の情報もあると思うんですよ。顔の表情であったり、会場の空気感であったり。
自分の持っているイメージを、いかに的確に伝えるかっていう作業なら、CDよりライブの方が上手くやれると思います。

ということで、昔よりはお客さんとの信頼関係を意識するようになったかもしれないですね。

ネ:なるほど。

T:例えば、名前を残さないで死んでいったブルースマンも大勢居るじゃないですか。戦前のアメリカの南部の方で。そこら中に、仕事が終わった後やなんかに気晴らしに演奏していた人が居たと思うんです。

ロバート・ジョンソンやなんかは、たまたま運が良いっていうか、まあ運は良くないか。少なくとも彼の音楽に関しては、たまたま後の人たちが見つけてくれたじゃないですか。名も無いブルースマンたちの中には、たぶんロバート・ジョンソンよりすごい人が居たかも知れないですよね。

そういう人たちのこと考えると、自分なんかが音源を残すなんて考えたら生意気っていうか。おれたちは最後でいいんじゃないかって気持ちで「TheEnd」ってバンド名に決めたような覚えもあるし。

ほかにも理由があって、「放課後の校庭で最後まで遊んでいるような子供」みたいな、最後までおれたちは音楽やっているかもしれないねっていう意味のThe End。あとは、今日で最後のつもりで演奏しようって意味のThe End。関係ないけど、ずっと閉店セールやってる店の気持ち、すげー分かるな。

ネ:やっぱりライブなんですね。

T:今はyoutubeで世界中に発信できる方法があるけど、それじゃ人見知りは克服できないっすよ。出かけて行って「こんにちは」ってとこからから始まって、それが筋だと思うっす。

ネ:ライブの生中継なんかも見られるようになりましたよね。

T:それは便利かもしれないけど、パソコンとかスマートフォンの画面で見てさ、「youtubeでTheEndを見たけどあんまり好きじゃないわ」みたいな。そこで判断されちゃうのはあまりにも不条理だとは思いませんか。
ライブ会場まできてくれた人が、僕の演奏を聴いてくれて、「あーこれは生理的に無理」と言われるならそれは仕方ない。だけど、youtubeとかCDショップの試聴機で判断するのはないわー。視聴機なんか置くからみんなCD買わなくなったんじゃないかな。大げさに言うと、CD買って聴くとかライブに行くって行為は人の考え方を変えてしまうくらいの力があったのにさ。それなのにスーパーの試食品みたいなことをやって自分たちで価値を下げてるんだもの。すまん話が逸れた(笑)。

ネ:ツイッターとかに音源のリンクを張ったり、絵を写真にのせて張るのは大事な最初の衝撃を奪ってしまうんじゃないかと思うことがあります。

T:今だったらそこで人生が変わるのかな。僕も来年から乗 り換えてたりして(笑)。

ネ:お客さんが山のように来たりして(笑)。

T:手のひらを返したようにね。まぁやったことないからさ。一回やってみればいいのかな。初音ミクとか。

ネ:よく知っているもが繰り返し見られるのいいですよね。昔見たライブのオンエアーとか。

T:ツェッペリンの昔のライブとかもあるよね。こんなんあったんだーなんて。正直言って、そういうものとの関わり方が自分は未だに整理できてないということなんですかね。僕は自分の部屋でギターを弾いてさ、それを何人かのお客さんに聴いてもらうっていう、そんな単純な作業の繰り返しをしてきただけだから。

ネ:歌を聴いてほしいって思いますか?

T:そうだなぁ。ネットや路上でやらないというのは、不 特定多数の人にはあまり聴いて欲しくないんだろうね。ほとんどの人は福山雅治の歌で満足しているだろうし、そういう人たちの前にわざわざ出て行って、地面に頭をこすりつけて自分の演奏を聴いてくださいってお願いすることがお互いにとって最善の時間の使い道だとは思えないな。わざわざそんなみじめなことしなくても、普段の生活だけで自尊心は十二分にすり減ってるから。頑張ってたまたま注目を集めることができたとしても一時的なものだし、そんな心配してたら自分はさらに調子が狂うだけだよ。

ネオンホールに来るような人はよっぽどで、ありふれたものには飽き足らない人じゃない?テレビもFMもつまんないって言って、寒い夜にわざわざ靴はいて出てきてくれるような人じゃん。そういう人には会いたいよね。多分、僕もそういう種類の人間だと思うし。そういう人の気持ちには応えたいし、一緒に何かしたいと思うし。何をしてあげられるかわからないけど、そういう行為全般に宿る「善なるもの」を信じたいっすね。そんなに毎日は素晴らしいことは起こらないけど、毎日そうやって出かけていくことで、ある日奇跡みたいなことが起こる場面に立ち会えたりするじゃん。サーフィンや釣りみたいに。きっと、そういうことを楽しみにして人はライブに出かけていくんじゃないかな 。

ネ: ありがとうございました。

T:あんまり良い事語ってない気がするけど。

ネ:良くなくてもいいですよ(笑)。

T:いや、大事なことだよ。情報って多すぎるから、余計な垂れ流しはいかんと思う。

そういえば最近ライブやっててもさ、僕が一番年配みたいになっててさ。そういう意味では「40歳になってもアホで居てもいいんだ」って、若い人が気楽になってくれると良いよね。いや、本当はまずいんだけどね。そういう役割は感じることがあるよ。

ネ:最近、大森さん(元bubble sweet ,元inco.)が新しいバンドはじめましたよね。

T:僕とか大森君はバンドブームっていうか、それしか突っ張る手段がなかったんだよ。あの頃は、ヤンキーになって改造バイクに乗るかバンドやるかくらいしかなかったんだよね。それか、「ガラスの仮面」読んで演劇やってるめんどくさい女とか。まあ、いろんな意味でそっちには触れない方が良いね。最初っから言うなよ(笑)。
今だと、よさこいソーランとかポールダンス教室とか、自己実現というか表現の方法がいっぱいあるじゃん。昔は選択肢がなかったんだよ。大森君もシャイだけど、僕も音楽やってないと友達ができないような人間だったから、ギターや音楽にしがみついていたんだろうね。一人で出かけていくようになって、こんにちはってライブハウスの人や対バンの人とお話しするから、それで人見知りが解消されているような気がします。ああ、でも治ってなかったわ(笑)。無駄だったかも。

ネ:今では県外からも沢山声がかかりますもんね。

T:たくさんてこともないけど、色々な人と知り合えるのは楽しいっすね。ただ、もうちょい早く声をかけて欲しかったな。つうかおれが悪いんだっけ (笑)。「今日はもう店を閉めよう」って決めたとたんにお客さんがどっと押し寄せて来た日のラーメン屋の店主の気持ち、分かるな-。

いい年して調子に乗るわけにも行かないじゃん。あと、ベテランだから当然実力あると思われてて、でもこんな感じだから(笑)。初めての場所なんかではお客さんも僕もお互いに気まずい空気吸ってます。あの固まる空気感は癖になるよ。ああ、空気ってほんとに固まるんだーみたいな。

弾き語りやっている人間なんて山ほどいるし、僕の代わりなんていくらでもいるじゃないですか。そこで若い人たちの出番を奪うのは心苦しいけど、僕の年代ってもう辞めていく一方じゃないですか。だから自分としては行けるとこまではやらしてもらいたいです。東京ドームで2デイズライブやりたいとかそういうのはもう全然なくて。最初っから無いか。呼んでくれたライブで一生懸命演奏したいっていう、目先のことだけ考えてやってます。

ネ:個人的な質問なんですが、沢山曲を作っていたら、これは自分の曲じゃないような気がしてくることないですか?歌ってみたらぜんぜん口に合わないというか。僕はよくそれで混乱するんですが。

T:あるある。ラーメン屋でテキトーに 作ったまかない飯の方を褒められて困惑する店主の気持ち、分かるなー。「これ超うまいっすね!」なんて言われても、じゃあ今までおれが苦労して考えてきたメニューは何だったんだ?的な。

「引き潮」なんかはまさにそうです。あれって今でも覚えているんだけど、2,3回歌って辞めちゃったんですよ。長過ぎるのと、お客さんをちゃんと歌の中に引き込んでいくことができなかったというか、僕のプレゼンの問題かもしれないけど。

教室に落ちているものがあってさ、「これ誰のー?」って、僕がその『引き潮』って歌を最初に見つけたんだけど。それは山川ノリヲさんの歌だったのかなと。ノリヲさんが歌っているところを見たことあるでしょ、僕が歌っているのとお客さんの反応が全然ちがうんだよね。僕が盛りあげるつもりがないから、お客さんも盛り上がらないんだと思うんだけど。

ネ:僕はどっちも好きですけど。

T:昔の曲を歌うと、今の自分とは全く感覚が違うというか、昔の写真みたいですよね。たまに別ものとして歌うにはいいよね、20代の頃の歌とかね。でもやっぱりさ、普通のさえない男の寂しい心の有り様とか、ニーズがないと思うんだよね、ガクトみたいな男のそれならまだしも。だから聴いてもらう工夫も必要というかさ。

ネ:たしかに・・・頼まれもせずにせっせと作っちゃっていますよね(笑)。

T:まぁ、ソングライティングの技術を習得するためにはいいよね。でもそればっかりだとさ。2,3曲でいいんじゃないかな。1曲目から10曲目までずっとそうだと、「そんなにバリエーションあんのかよ」ってもんでしょ。

「では月曜日の僕の姿を聴いてください」「つぎは火曜日の僕の心の風景を聴いてください」「今度は反対からいきます」「雨の日の僕の孤独を」・・・。そんなにお前に興味ないしって(笑)。誰なんだよと。それは絵を描いている人だとしたら、自画像ばっかり描いている人ですよね。

ネ:曲を書く視点というか角度は大事なって最近よく感じます。

T:色んな考えで生きている人がいてさ、そういう人の気持ちになって、色々な立場に立って歌を作って唄うことは意義があると思うんですよ。無理して書き割りのような復興ソングを作る必要もないと思うんですけど。弱い立場の人とか、困っている人とか、いじめられている子供とか、行き詰まってる人。ソングライティングって いう技術があるんなら、たまにはそういう人の役に立ってみたいなと思います。はじめから終わりまで月曜日とか給料日前の自分のことばっかり聴いてもらってもなんか申し訳ないっすよね。

(終)

長野市民日記-085

更新日:2014年03月04日|書いた人:【連載】長野市民日記


長野市民日記85 2014年2月28日(金)

 今日、友人と焼き肉を食べに行った。
 某チェーン店三時間食べ放題コース、幼なじみのTちゃん(男)とひたすら肉を喰う。
 Tちゃんはカルビ好き、私はホルモン好き、二人とも清純派肉食系男子だった。
 ある程度腹が満たされてくると談笑タイムである。本日の話題は“なぜ大人はユーウツになりつつも毎日会社で働くことができるのか?”。
 Tちゃんは言う。「大人には買いたいモノが沢山ある。それは服だったり、車だったり、家だったり、スマホだったりする。これらの商品を得るためにはまとまったお金が必要。まとまったお金を稼ぐため毎日会社でがんばれるのだ」。
 私は“高価なモノを欲しがらない人は?”ときいた。彼は「そういう人は会社員にはならない。なる必要がない」という。
 ちなみにTちゃんはフリーター。趣味は散歩。もうそのへんのジイさんを越えている。

2014/2/28(金)稽古5日目!粗通し。

更新日:2014年03月02日|書いた人:

いやー、スゴイですよ!
時間の感覚というか、体内時計がいつもと全然違う動きをしているのが分かります。
稽古場にいて、やる事が山のようにあるんだけど、一つ一つやりながら、なにか感触をつかんだり、稽古をみていて心が動いたり、でもそれがいつの事だったか、考えないと思い出せないような、脳がいつも使ってないところを使っている感じです。(意味不明)

昨日はブログ書きたかったんですが、
作業に終われ、力つきました、、

携帯に残ってる写真を整理しながら、
記録と記憶を整理していきます。
まず、昨日の稽古写真。

昨日は、初めての「粗通し稽古(最初の立ち稽古時、幕あきから幕切れまで通して一連を稽古すること。)」
稽古後、西村さんから役者、スタッフへ「この戯曲の面白さって何だろうね」という問いかけがされました。
みんな思い思いに、真剣に考えて、正直に答えていきます。
フラットな立場にたって一緒に考えて行くことが出来る、
とても心地いい静けさが漂うの、幸せな時間でした。

それから、西村さんから、「不条理劇」についての特別講義がありました。
ベケットのゴドーを待ちながら、別役さんのマッチ売り〜等が書かれた時代背景。
不条理劇が生まれた根底にある「人がなんで存在しているのか分からなさ」。

それぞれ、役者は台詞の事、スタッフは作業の事に追われていた状況から、一段高い場所に連れて行かれて、もう少し周りを良く見渡せたんじゃないかという気が少ししました。

あ、あと昨日日中、オペブースを解体。とうとう80×200センチの巨大棚を運び出しました!小屋としても日々進化しています。

文・写真:てつろう


- - - - - - - - - -
ネオンホールプロデュース公演 2014年3月8日(土)− 9日(日)
「マッチ売りの少女たち」
「私たちの街の記憶」(WS創作演劇)

- - - - - - - - - -

「マッチ売りの少女たち」


 原 作:別役実
 作:平田オリザ
 演 出:西村和宏

 出演(*主婦A、Bはダブルキャストです。)
  初老の男 土井れーじ
  その妻  ミズタマリ
  マッチ売りの少女
   A あおやぎまゆみ
   B 唐木さやか
   C バンアカネ
  少年  丸山耕平
  市役所の課長 岡村二郎 
  職員  中牧浩一郎
  主婦A 紺乃星(星組)/佐藤和子(月組)
  主婦B クランシー京子(星組)/ムラタヒロミ(月組)

- - - - - - - - - -

WS創作演劇「私たちの街の記憶」


 作:出演者
 構 成・演 出:西村和宏

 出演
  いけだはるひこ
  市川しをり
  大村一仁
  加藤亜紀歩
  小林日香里
  小林寛和
  ゆかり
  高橋詩織
  土谷紘子
  松山由美

- - - - - - - - - -

開演時間(開場は30分前)

8(土) 14:00 マッチ売りの少女たち(星組)
17:00 私たちの街の記憶
19:00 マッチ売りの少女たち(月組)
9(日) 13:00 マッチ売りの少女たち(月組)
16:00 私たちの街の記憶
18:00 マッチ売りの少女たち(星組)


上演時間

「マッチ売りの少女たち」:約100分
「私たちの街の記憶」:約45分


料金(全席自由、各回定員60名)

・マッチ売りの少女たち
  一般前売り ¥1800/一般当日 ¥2000/学生 ¥1000/小学生以下 ¥500

・私たちの街の記憶
  一般前売り・当日・学生・小学生以下/¥500

・マッチ+私たち
  一般前売り ¥2000/一般当日 ¥2500/学生 ¥1000/小学生以下 ¥500

*学生の方は学生証をご提示ください。
*「マッチ売りの少女たち」の未就学児の入場はご遠慮いただきます。


チケット取り扱い・予約受付


メール info@neonhall.com(ネオンホール)
1.公演名
2.日程
3.時間
4.お名前
5.種類(一般or学生...)
6.枚数
7.お電話番号
を明記して送信してください。

電話 026-232-1532(ナノグラフィカ)

« 2014年02月  |  Blogトップ  |  2014年04月 »


Contents

メニュー

月別に見る

検索




▲上へ戻る