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ネオンホールプロデュース 演劇公演 vol.3「ヤルタ会談」キャストインタビュー スターリン・月原康智

更新日:2015年01月16日|書いた人:プロデュース公演2015「ヤルタ会談」

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(Bチーム)スターリン役・月原康智さん
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 普段って映像関係の仕事してるんだっけ?

 そう。ネオンから徒歩3分のSHINKOJIで広告?主にWEBや映像関係のことをやってます。

 どういうきっかけで演劇始めたの?

 “13月のエレファント”っていう劇団があって、権堂に飲み屋を持ってたんだよね。そこにたまたま学校の先輩に連れて行ってもらって、記憶無くなっちゃうくらいに飲んで、お店を壊そうとしたらしいんですよ。「この机邪魔っすねー」とか言って。で、そのまま「お前面白いから演劇やれ」ってエレファントの人に言われてやり始めました。

 それまで、演劇とか観たことあったの?

 子供劇場みたいなヤツは観に行ってた。

 で、東京に行ったんだっけ。

 そう。21の時。“13月のエレファント”が東京で活動するってなって、ぼくも学校を休学して。後から付いていくみたいな形になっちゃったけど。

 親にはなんて言ったの?

 …「東京に演劇やりに行く」って。

 東京でもエレファントと一緒にやってたの?

 いや、全く別で。好きな劇団のオーディション受けて出て、その繋がりでその後につなげていったかんじ。

 ギャラとかもらえるの?

 や、最初の1、2回目はチケットノルマもあって。3回目で初めてギャラ貰ったかな。

 いくら?

 1万円くらい。交通費みたいな感じですよね。結構生活が大変で、バイトが13連勤で1日休んでまた13連勤とか。そのなかで稽古もして、って、毎日2時間睡眠みたいな生活をしていて、演劇をしに行ったのに、演劇の事を考えられなくて。演劇やってるって感覚はあったんだけど、色んな事が、ただやってるような状態になっちゃって。

 長野にもどったきっかけは?

 親から「来年学校どうすんの?」って言われた時に、「帰る」ってなりました。

 東京で得たものは?

 ゲームで言うと、ダンジョンの全貌は分からなかったけど、いままで見えなかったとこが見れたというか。東京の芝居の感じとか。行って良かったとはおもっています。

 東京の芝居の感じって?

 最初に出た作品の演出家が、演出で飯食っている人で。演劇に対する1つ1つのエネルギーの熱量が凄かったな。めっちゃ怒られたけど。

 戻って来てからはどんな感じだったの?

 鈴木林業をやって、ガラス組とか、声かけてもらったとこにでる、みたいな。後はネオンホールで月原君の演劇班をやったり。

 なんで演劇班やろうと思ったの?

 ネオンで話してた時に、やってみる?やれば良いじゃんってなって。まだ分らない事が多いんだけど。何が出来るかとかも。演劇から足を洗った訳じゃないし、なんか演劇にかかわり続けたいな、と思って。

 何で演劇にかかわり続けてるの?

 …実は、自分でもそこをしょっちゅう考えてる。なんでだろう。何が良いって言われたら…役者として出た時に、褒められると嬉しいし、またやろうかなって思うけど…。でも、トータルで観た時に、割としんどい事の方が多くて。

 じゃあ、今後の展望は…。

 うーん、、そういうの(野望とか展望)を探してる状態というか。最近はあまり演劇をやってるって意識が無くて。何が演劇でどれが演劇じゃないかも未だに分らないし。でもやっぱり何か得るものがあればなって。最近はいろいろとらわれずに、舞台の上で出来る「表現」って事を考えてやってみたいなって。あれ、…ダンジョンと同じですよ。だからいっつも手探りで。敵が強くて全滅したりとか。でもせっかく始めたダンジョンだからさ、最後までやりたいし。

 全滅したの?

 毎回全滅してる。笑。それでも色々試してたり、台本書いてるとき、これ面白いなーって思ったりして、鈴木林業でやって、やりきれてなくて、それが全滅だったりするんだけど。別に全滅するつもりは無いんだけどね 笑 それでもちょっとずつ進歩出来てればなって。

 どんな作品をやりたい?

 最近ちょっとわかったのは、作り手のエネルギーが伝わって、観る人が考えられる、考える余裕のある作品がすきだなと。すごくくだらなく、チープで誰でも出来んじゃんってやつを、全力でやっているのが良いと思います。

 仲田さんの演出を受けてみてどう?

 付いて行くのに必死 笑

 台本は?

 いままでずーっと理系だったから、歴史にふれるきっかけになったかなあ。

 あー。出演者のみんなそれは感じてそう。僕は塾講師のアルバイトやってるんだけど、最近は授業終わった後、ネオンで世界史の授業する感じになってるし 笑
生活の中で、演劇の立ち位置ってどんな感じ?

 そうだなあ、仕事が長峰さん(theeの演出家)と一緒で、良く演劇の話になるし。漫画とか読んでても、これ芝居に使えそう、とか思ってるかも。

 みんなに聴いてるんだけど、僕に対して、希望になるような一言を。

 うーん、正直今演劇ツラいなって思ってるからあんまり希望があるようなこと言いづらいんだけど。そうだな、演劇やっていいことは、出来なかった事が出来るようになったとか、他の人の考え方が知れる、自分の分んなかった自分が知れる、世界が観れる。色んなことが広がる。とかかな。

 うーん、、ありがとう!

インタビュー 若林
編集 若林、ナツミ

ネオンホールプロデュース 演劇公演 vol.3「ヤルタ会談」キャストインタビュー チャーチル・増沢たまみ

更新日:2015年01月15日|書いた人:プロデュース公演2015「ヤルタ会談」

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(Bチーム)チャーチル役・増澤たまみさん
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若:若林
た:増澤たまみさん

 いまいち、たまさんが普段、どこまでの事に手を広げてるのか分からないんですけ
ど。

 そりゃあそうか。自分でもよくわかんないし。まあ、まちづくり会社のアドバイザーみたいなこともしたり、「予算○○円でなんかやって」とか「あそこなんとかして」みたいな形で話をふられる事も多いから、結果的にもの凄い色々な事に手を出すことになってます。ナノグラフィカの活動もかなりとらえどころがないからね。運営は共同でやっているんだけど、結構明確に分業してやってて、私は全体の統括的なことと、企画と、いいだしっぺ的な役割。まあでも、「私がやりたいことを言い出す」というよりは、「必要だと思われること」だとか、「◯◯ちゃんがやりたそうなこと」を提案して企画してると思ってる。

 やりそうな需要が見えるからというか。

 そう。その機能を巫女って呼んでるんだけど、やりたいオーラが見えます、みたいな。で、実際それをやる時は、たとえばネオンの演劇公演で照明とか音響とかは、やら
ない。っていうか出来ない。人員配置やスペース、お金、スケジュールの管理みたいな
事をやる。

 マネジメント的な所なんですね。

た そう。文句言うだけ 笑

 演劇との出会いはいつ頃なんですか?

 大学3年生の時ってことにしておくか・・・。演劇サークルの人から誘われるように、目につくように行動していて、見事、誘われた。天使の像の役。
 
 それまで観た事とかあったんですか?

 あったよ。その演劇サークルの公演を何回か観た。あと小、中、高の演劇部の公演とかね。小学校の時からやりたかったんだけど、自分からやりたいって言うのが恥ずかしくって。お姫様やりたかったんだよねー。

 ・・・・・。

 実は小学校4年生のとき、期待して演劇クラブに入って、台詞のほとんど無い小坊主の役で。その他大勢みたいな。しかもハゲヅラで。で、同級生のコが主役で。なんであの子が主役なんだ、あたしの方がいいじゃん、って。まあ、主役もハゲヅラで小坊主なんだけど・・。で、実際はたった一言言うだけなのにガチガチに緊張しちゃって。やりたい事とやれる事が一致しないんだよね。でもまた、「わたしならもっとうまくやれるのに」って思って、また打ち消されて、ってことを大学まで何回か繰り返して。天使の像なんてほとんど動かないししゃべらないのに、頭に血が上ってかーってなって、ほとんど意識がない 笑

 じゃあずっと燻ってたんですね。その後、なぜ演劇をプロデュースする事になったんですか?

 ペーターゲスナー演出の「山姥」に俳優として参加してから。それまで、感情がどうこうって演出しかされたことが無くて、違和感があった。身近で観た作品も、そういうふうに作られてる感じだったから、「はずかしいーっ」とか「ダサいっ」とか思ってて。で、彼の演出を体験して、演劇ってすごい可能性がある、ほんとはやっぱりかっこいいんだって思った。このときもその他大勢の村娘で 笑 しかもしゃべれない娘の役で、出番なんかほとんどないから稽古も少ないのに、演出見たさに毎日稽古場に通ってた。舞台上の俳優周辺の環境や状況を変えることで、俳優の体が変わって、台詞も変わる。

 ムラタさんにも同じような話を聞きました。合理的ですよね。

 そうなのよ!「もっと泣いて!自分を解放して!それで泣いてるって言えるの?!」とか言われてもね・・・。表現の仕方も新鮮で、山姥の娘に都から来たサムライの全身のにおいを嗅がせたり、数人の村人たちに6mもある竹を片手で持たせてしゃべらせたり。サムライの上半身にスーツを着せて、日本で言うサムライってサラリーマンでしょ?って。

 なるほど 笑

 で、その後プロデュースし始めた。待っててもお姫様はやらせてもらえない、やりたければ自分が主役の公演をやればいい、って。それで自分がお姫様になれる(はずの)「毛皮のマリー」をプロデュースしました。ネオンホール10周年公演として。ネオンは1994から運営に参加してたけど、バーと平日企画がほとんどで、こんな大きい企画をしたのもはじめてだった。で、演出を中沢清さん(ルーズベルト役)にお願いして美少女の役を私がやりますって言ったら、「ちょっとちがうんだよねー、美少女っていうのは少年をだますんだからさ、むしろたまちゃんは少年でしょ」って言われて。がっかりしました。でも結局少年をやって。でも、「毛皮のマリー」の主役は少年だって教えてくれた人がいて。わたし、そういうこと、ぜんぜんわかんないの。そういう自分にもがっかりします 笑

 まだお姫様願望はありますか?

 さすがに無くなってるよ!いい加減。・・・まあ、たぶん。

 プロデュースする事の楽しさって何ですか?

た 例えばさ、去年の夏に若さまが出てくれたハムレットでさ、若者が楽しそうにやっていたじゃん?そういうのを見ると慰められるんだよね。私みたいな仕事をやってると、自分で自分を認めるしか無いんだよね。社会的な地位なんて無いし。だから若い人が生き生きしている場を作れたっていうことがすごくうれしい。許されたっていうか、「あー、やってる事は間違ってなかったな」って思えるんだよね。それがあるからやってるというか。

 今回の稽古とかはどうですか?

 毎回、役者やるたびに後悔するんだよね。出来ない事が多くて。演劇のプロデュースは自分の思考回路というか興味の方向というかと一致してて、普段考えていることややっていることと地つづきで、あまり無理がない。ほっておいても考えちゃうし。それは演劇(のプロデュース)でないにしてもそうなんだけど。役者ってなると全然違って、すごいわざわざやんなくちゃならないことが多くて。まあ、身体には興味はあるんだけど、台詞覚えるとか、単純に大変で。

 でもやってますよね 笑

 役者の側から、制作サイドに、色々働きかけられる所とか、自分が出来る事もあるかなっと思って。あとついつい魔が差しちゃうのかな・・・役者への思いが成仏してない・・とか・・?

 今後の野望とかありますか?

 蔵春閣でレジデンスやりたい。滞在施設を運営することで、演劇とかやれる環境を良くしたい。あとネオンでやる時、もう少しシステマティックにやりたい。モノを動かしたり座席組んだり楽屋作ったり、暗転したり。作品作りの前の段階のことがありすぎて、大変。今回、少し改善したけど。

 確かに。もうちょっと小回りの効くようにしたいですね。音響周りとか。

 でしょー。

 では最後に、僕に何か希望になるような一言を。

 とりあえず5年は演劇を続けな。そうすると10年続けられるから。

 逃がさない気だ 笑

 5年続ければ、ちょっとは演劇の事が分かるというか、言語化出来るから。まあ何
でもそうだけど。それに演劇って共同作業じゃん。要素も多いから関われる人間も多い
。ある意味人生の縮図っていうか。社会性の乏しい人でも、演劇やると、最後の所で踏
ん張れるようになる、と思ってる。

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インタビュー・編集 若林優也

特設サイト

http://www.neonhall.com/yalta2015/index.html

2015/1/14(水) ヤルタ会談稽古

あと、3日!!
準備、稽古、着々と進行しています。

なかやま☆はるかさんの舞台美術が、今日、ほぼ完成。
今日の作業には、美麻村から、大島さんや麻蔵美術部の助っ人が来てくれていました。
お楽しみに。。!

稽古では、まだまだ、細かな演出が入っていきます。
今日は何となく、両チームのグルーブ感が印象的でした。
粘り強く、面白く。
稽古場って、じぶんにとって(つらさや情けなさも内包しつつ)とても幸福な場所だと思います。

Aチームの稽古後。


ネオンブログに、若様によるキャストへのインタビューがのっています。
下垣さんの話、メチャクチャ面白かったー!

稽古が終わってから、演出の仲田さん自ら、衣装の手直し。
申し訳ない反面、自分でやっちゃう仲田さんの作品に対する愛情やこだわりが、
とてもちかくで感じていてとても心地よいです。

ネオンホールプロデュース 演劇公演 vol.3「ヤルタ会談」キャストインタビュー スターリン・下垣浩

更新日:2015年01月14日|書いた人:プロデュース公演2015「ヤルタ会談」

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(Aチーム)スターリン役・下垣浩さん
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若:若林
ナ:ナツミ
下:下垣さん

 よろしくお願いします。ぼくはデパートのかいじん(信大生サイケバンド)で白塗りで踊ってる下垣さんしか知らないんですけど、下垣さんって普段なにしてる人なんですか?

 ジュースの会社の副所長です。笑

 おおお。えっと、演劇との出会いを教えてください。

 昔、仕事で愛知に住んでて、で、バンドをやってて… え?ハードコアパンク。笑。で、転勤で松本帰ってきたんだけど、その前にバンドをクビになったりして。

 え?!バンドって何したらクビになるの?

 ギターやってたんだよねで、でも、そのうちベースになって、で、こんどボーカルになったんだけど、あまりにあの…、鎖振り回したりね。音楽的に成立しなかったよね。まあ、情熱のはけ口的な。。存在としては今と同じような感じだったかもしんない。笑。(いま、バンドのメンバーとして、白塗り踊り子をやっている)

 そのときいくつですか?

 二十歳くらいかなあ。ほんとは高校卒業して美大に行って絵を描きたかったんだけど、親父に言ったら「そうかヒロシ…東京は砂漠だぞ…」って演歌の歌詞みたいなこといわれて。まあなんだかんだで松商短大にいったんだよね。で、これからはコンピュータの時代だとかいってプログラミングの勉強したんだけどあんまりぴんと来なくって、で、テニスやってた。

 えー!さわやか〜!
 バンドとかはやってなかったんですか?

 なかったんだよね軽音学部。で、テニス部の部室にアンプ持ち込んでガンガン弾いてたら、やっぱ色んなとこから苦情が来たみたいで。笑。そしたら用務員のおじさんが「体育館の部屋空けてやるからそこで弾きなよ」って言ってくれて。「いいんですか?」なんつって、でそこでギター弾いてた。したらそのうちみんなが音を聞きつけてだんだん部活になったんだよね。

 おお!軽音部創設!

 で、はなしもどすと、就職して松本帰ってきて、高校のときアイアンメイデンとかコピーしてた廣田っていう、“経帷子”のね、とバンドまたやろうって。で、バンドやってたんだけど、あるとき「松本演劇フェスティバル」をみた廣田が演劇やりたいって言い出して、で、“スコッティーズ”っていうに出てた“リウマチ”の信大の人たちね、を見たときに「あ、これすげえな」って。うん。「芝居、やろう、やろう」ってなったんだよね。で、アングラとか、舞踏とかね、テレビで見てて好きだったからそういのうをね…

 え、テレビでやってたんですか?

 うん、中学のときぐらいにね、11PMでやってたんだよ。木曜日に。寺山修司がでててしゃべったりとか。舞踏の練習風景とか。熊野の合宿とか。これすげえなって、オレこれやりたい!って思ったよね。

 アングラの情報をテレビで仕入れるってなんか新鮮ですね。

 うん、深夜番組でね。ちょっとエロいやつ。うちの人たちが寝静まった後に居間に行ってイヤホンさして、みてたの。

ナ・若 あー。笑。

 廣田さんと劇団はつくったんですか?

 うん、今のまつもと演劇連合会の永高さんと廣田と“劇団モノリス”っていうのをつくって、あがたの森の教室でずーっと練習してた。二年間ずっと練習ね。演劇の公演ってどうやってすればいいのか誰も知らなくて。。みんなバンドマンだったからね。

ナ・若 笑。

 結局公演するんだけど、よくわかんないから100万くらいかかっちゃって。赤字がね、100万ってことね。ないものどんどん買っちゃうから。

 わお。どんな内容だったんですか?オリジナル?

 近未来のやつ。核戦争後の世界とかの。そう、オリジナル。10人位しかいないから一人10万請求が来て、それでやめたやつもいたね。

 下垣さんはやめなかったんですね。

 そのときはやめなかったんだけど三年くらいやってて、やっぱ熱の入り方とかみんな違うじゃん、で、いやになってやめたんだよね。で、やめたんだけど、やめて何にもしてない抜け殻みたいになったオレを見て、奥さんが「また芝居やったらいいんじゃないの?」って。へへ。そんでまた芝居やりだしたの。ふふ。出戻りね。

 ふふ。モノリスはどうして終わったんですか?

 まあ、オレはね、内部分裂というかで、手紙だけかいてやめたんだよね。書き置き。

 え、なんか遺書みたいじゃないですか。

 でも「あいつは絶対戻ってくる」って言ってカラオケかなんかで一生懸命チャゲアス(の「SAY YES」)を歌ってる永高さんにオレは涙して、ほだされて、やめるのやめたんだよ。

ナ・若 おおおー!

 それでも最終的には団長の廣田が、「やめる」ってことにして、でも実は他の劇団立ち上げて人誘ったりしてて…。

 クーデター?

 や、トップがそれしたらクーデターじゃない。独立した上でヘッドハントしたってことだね。

 笑。かもしんないね〜それでおれたちは“演劇実験室経帷子”っていうのをつくって、永高さん達は別のをつくって。
“経帷子”はオレと廣田と松岡さんと舞沢智子さん、えっと舞沢さんは、おれが演劇やるきっかけになった人ね、はじめて見た劇の、主人公の女の子、笑。

 初恋の人じゃないですか。

 そうそう笑。あ、舞沢さんは清水さんと一緒にバンドもやってたんだよ。で、中沢さんたちみたいに実験的なことやりたいよねっていって「演劇実験室」ってつけさせてもらったの。

 長く続けてきてその演劇の好みは変わってきましたか?

 最初の頃は人の見なかったからね。でも舞踏とかやり出した頃から見るようになってね。5年くらい前かな。色んな表現を吸収したいなとおもったりね。いろいろある中で天井桟敷系はやっぱすき。カフェシアターとか。面白いよね。
あ、あと、アートひかりは衝撃を受けた。羽布ちゃんとか。ああいう人たちの感覚は衝撃だった。アート的な表現というか、衣装とかもね。見せ方がね。

 実際に(アートひかりの)仲田さんとやってみてどうですか?

 いや、実はいままでしっかり演出をしてくれる人とやってこなくて。「いてくれればいいよ」っていう事が多かったから。笑。このはなしが来たとき「これはちゃんと向き合わないとな」って思ったよ。芝居にね、覚悟を持ってやらなきゃいけないなっていうきっかけかなって思ったよね。試練みたいな感じというか。

 きっかけとして(向き合う)スイッチは入ったんですか?

 ああ、笑。だいぶ最近になって入ったね。昨日くらい。笑。

 昨日おとといからなんか変わったとおもった!誰かにおこられたのかなって。笑。

 うんてっちゃん(哲郎)とかが台本見ながらよってくるんだよね。「さっきここまちがえてましたよ」とかいって。これは…、とおもって、いよいよね。昔自分で本かいてたときは、一言一句間違えるのを許さなかったのにね。笑。

 その脚本に関してはどうですか?

 いま、今日も朝テレビでやってたけど、結局宗教戦争みたいになってて…イスラム教は危ないとか北朝鮮は危ないっていってるけどそういう情報はアメリカが流して操作してたり。そういのが実際一番あくどかったりするんだろうなとか思うよね。

 はまり役じゃないですか!(スターリン)

 最初(スターリン役でっていう)はなしが来たとき、オレ、パンクやってたから「スターリンってエンドウミチロウみたいなのでいいですか?」って仲田さんにメール返したら、返事が返ってこなかったんだよね 笑

 そこから比べるとだいぶアレですね。朝ニュース見て「ヤルタ会談」を連想するくらい、自分のことになってきてるというか。

 そうそう。世界情勢とかやってると、はっとするよね。

 わかる。わかる。

 最初は小難しいかんじがするな〜とおもって台本もぜんぜん読む気になれなかったんだけど、視点というかちょっと広げてみると、今とつながってるんだなって。今やる意味、すごくあるとおもう。

 演劇はたのしいですか?

 うん。たのしいよね。つらいことも楽しいよ。というか、自分が一歩踏み込めば、何やっても楽しいよ。

 できるようになるのが楽しい?

 いや、できないことはできなくていいんだよ。できなくてもね、おもしろいんだよ。

 うーん、越える快感というよりは、ハードルに立ち向かうこと自体がたのしいって事ですか?

 そう、立ち向かって…うん常に立ち向かってる。笑。そのうちね、どっかヘコんでくるんじゃないかなって思って。そうそう、だって、突き抜けられないもん。越えたって、また、壁あるんだもん。笑

 なるほど…。

 じゃあ、ずるずる演劇に巻き込まれつつある若林くんに一言!

 えーと、なんていうのかな、すごい人のいい感じがするよね。まあ、続けていくことだと思いますよ。

 どうやれば続けていられるの?続けてればいつかやめたくなっちゃう時がくるでしょ?

 あ、衝突とかねするんだけど、そこをかえようとするのはオレに向いてないから、自分がかわるというか。ね。そこで決定的な対立するよりはね。けんか好きじゃないもん。パンクは好きだけど。笑。

 そうそう、ハードコアとかパンクの人って実は心優しい人が多いですよね。

 そう、だから(ステージで)牙をむくんだよ。笑。

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インタビュー 若林優也、ナツミ
編集 ナツミ

ネオンホールプロデュース 演劇公演 vol.3「ヤルタ会談」キャストインタビュー ルーズベルト・ムラタヒロミ

更新日:2015年01月14日|書いた人:プロデュース公演2015「ヤルタ会談」

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(Aチーム)ルーズベルト役・ムラタヒロミさん
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ー 若林君とムラタさんは2014年、“権堂国定忠治劇団”で共演。ー

 そう言えば、普段は何をされているんですか?

 フツーの事務職の会社員です。

 どうして演劇をやろうと思ったんですか?

 実は“七味堂”という劇団の座長と小学校からの幼なじみなんです。
第一回公演の受付を手伝ったり、観に行ったりしていて、面白いなーと思っていました。
その友人に誘われて23歳くらいの時に、舞台に立ち始めました。

 社会人になってからだったんですね。

 そう。社会人だけど、暇だったから部活の延長みたいなかんじで。

 その後は劇団に所属したりしていたんですか?

 そのまま“七味堂”に参加しました。で、その中で、ペーターゲスナー演出の「山姥」という作品に参加した時に、“演劇実験室カフェシアター”の中沢さん(Bチーム、ルーズベルト役)たちと一緒に中条村〜静岡〜戸賀を回る旅公演をして(今も付き合いのある演劇関係のみんなと)親しくなりました。その後ネオンホール十周年公演の「毛皮のマリー」に出演したときに、カフェシアター座長の中沢清さんから「ヒロミ・デ・バルドー」と命名していただきました。

 ツアーというか旅公演って一体感でますよね。それ以外に転機になった事ってありましたか?

 西村和宏さん(“青年団”、“サラダボール”)が演出した作品に出た時かな、感情先行でやるって方法しか知らなかったんだけど、能とかもそうなんだけど、型というか、どう見えるか、っていうのも大事で。感情とか自分の内面的なものは、後からついてくるというか。筋道、段取りからやっていくところが合理的に感じて、転機といえばそこらへんかな。

 自分のかかわり方に具体的な変化はありましたか?

 表現のストックを増やそうとするようになりました。パッとすぐに出せるように。

 どうやって増やすんですか?

 人生経験だったり、色んな作品を観て。パターンを増やすというか。「泣く」って言っても、色々な「泣く」があるでしょう?

 なるほど。絶え間なく色んな作品に出演されている印象があるんですが、生活との関わりは? 

 出勤中はブツブツ台詞を言ったり(笑)かなり生活に入り込んでいます。所属としては“thee”、“カフェシアター”、“お能の会”、それに羽布さんの作品のレギュラーメンバーというかんじかな。

 何が楽しくて出演し続けられるんでしょうか?

 これだけ続けていると、単に「出れて嬉しい」、てのはさすがにもうないです。「何か得たい」と思って出演してます。あと逆に、満足してしまったら続ける必要は無くなると思ってます。。一生懸命になれる理由としては、今急に死んじゃったら困る人がいるなとか、生活の中にも緊張感があるっていうのはあるかも。

 死ねない理由みたいなかんじでしょうか?

 私にとって、ないと死んじゃうって訳じゃないんだけど、そこを外から貰えるというか。

 出演するかどうか、って決める時に、どういう所で決めてますか?

 自分が面白がれるか、って所かな。今回は、仲田さんに呼んでもらったので、2つ返事で決めました。

 仲田さんのどこが魅力ですか?

 攻めてる所かな。演出や衣装もそうだし。なにかメッセージ性を持たせている所かな。

 長野市の演劇はどうやったらもっと面白くなると思いますか?

 うーん。あ、ネオンのやっている事、今回は特に大事だと思ってる。みんな実はよくわかってない「演出ってなんぞや」ってのを提示しようとしているというか。同じ脚本でも、演出が違えば手触りが全然違ってくるんだよね。後、色々な作品を観た方が良い。良いのも悪いのも。

 面白いと思う作品は?

 “劇団☆新感線”の「アテルイ」とか。かっこいいんだよね。殺陣とかコテコテなんだけどいちいちかっこいい。あと、暗いヤツよりは、どちらかというと面白いものがいい。でも、単純に面白いだけじゃなくて、ちょっと毒というか、ブラックユーモアがある作品が好き。若様は?

 なにが面白いかって言うのがまだ上手く言葉にできなくて。中には観てて辛いなってのはありますけど。

 そこを分析しながら観ると良いんだよ。話が面白くないのか、役者が気障すぎるのか、衣装か、音が気持ち悪いのか、それとも体がキレてなくてぬるっとしているのか、とか。

 ああそういう事なんですね。ちなみに長野周辺の作品で良かったな、っていうのはありますか?

 “たなかぱんだ”とか。あと、“ゴッサン”(ゴッドサウンド+スタジオエンド)。基本バカなんだけど、バカなだけじゃなくて、きっちりやるんだね、あの人達。舞台に対してとても真摯なんだけど、作品に対して小馬鹿にしているというか、ちょっと角度を変えて遊びを入れてやるんだけど、その遊んでる所が逃げてないというか。凄くバカな事をまじめにやっていて、それが逃げじゃなくて。意思があって、ちゃんと戦略のもとでちょっとズラしてやっている所かな。

 今後の野望というか、やりたいことは何かありますか?

 七味堂が今は活動休止しているので、復活させたいな。後、また演出もやってみたい。役者に音響に照明に、色んな人を使って自分の面白いと思う事を表現出来て、お客さんから反応を貰えるってのは面白いよ。


インタビュー 若林優也
編集 若林優也、ナツミ

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